データからインフォグラフィック動画を作成する方法
実際のデータセットを使った例、ストーリーボード、ナレーション、尺度・単位・主張の確認を通じて、データからインフォグラフィック動画を作成する方法を解説します。

グラフ自体は正確でも、視聴者を誤った結論へ導いてしまうことがあります。タイトル、尺度、並び順、ナレーションは、いずれも視聴者がデータの意味をどう受け取るかに影響します。
インフォグラフィック動画の作り方を学ぶには、まずデータで答えられる問いを選ぶことから始めます。そのうえで、関連する数値を示し、比較の意味を説明し、データの限界も明確に伝える一連の流れを構成します。
このガイドでは、架空のサポート対応キューのデータセットを使って、その手順を説明します。ここで使用する数値は、解説用に作成したものです。実際の顧客データでも、業績のベンチマークでも、Feloに関する証拠でもありません。
グラフを作る前に問いを見つける

スプレッドシートには、数十もの列が含まれていることがあります。しかし、動画で特定の関係性を取り上げるには、それを示す理由が必要です。
今回の例で取り上げる問いは、当日中に解決されたリクエストの割合は改善したのか? です。
これは「サポートの対応状況はどうだったのか?」という問いよりも具体的です。後者には、対応の質、問題の複雑さ、人員配置、顧客満足度など、今回のデータセットには含まれていない指標も関係する可能性があります。
以下が元データの全体です。
| 月 | リクエスト総数 | 当日中に解決した件数 | 当日解決率 |
|---|---|---|---|
| 4月 | 400 | 280 | 70% |
| 5月 | 500 | 350 | 70% |
当日中に解決した件数も、その割合も、どちらの月についても正確です。ただし、どの比較を強調するかによって、伝わるストーリーは変わります。
当日中に解決したリクエスト数は、280件から350件へと70件増加しました。これは相対的に25%の増加です。リクエスト総数も400件から500件へと25%増加しています。一方、当日解決率は70%のままでした。
「サポート対応が25%速くなった」という見出しは、データから導ける範囲を超えています。この表は経過時間としての対応速度を測定しておらず、解決率の改善も示していません。
結論を平易な言葉で書く
アニメーションをデザインする前に、データによって最も強く裏付けられる結論を書き出しましょう。
チームはより多くのリクエストに対応し、当日中に解決した件数も増加しました。一方、当日中に解決された割合は70%のままでした。
次に、データの限界を書きます。
このデータからは、リクエスト数が増加した理由や、リクエストの質や複雑さがどのように変化したかは分かりません。
この2つの文章が、プロジェクトの方向性を明確にします。提案するタイトル、シーン、ナレーションのすべてを評価する際の基準として活用できます。
観察された事実と、その説明を区別してください。「解決率は変わらなかった」は、表から確認できる事実です。一方、「新しいワークフローによって解決率の低下を防いだ」は、さらなる証拠が必要な説明です。
短い動画では、この区別が特に重要です。視聴者は、最後に表示される小さな注記よりも、見出しのほうを記憶しやすいからです。主張の意味を左右する補足情報は、その主張のすぐ近くに配置しましょう。
比較内容に合ったビジュアル形式を選ぶ
今回のデータセットでは、情報を詰め込んだ1つのダッシュボードよりも、シンプルなグラフを順番に表示するほうが理解しやすくなります。
月ごとの総件数を比較するには、通常の棒グラフを使用します。割合を比較するには、長さを統一した2本のパーセンテージバーを使用します。件数と割合を視聴者が混同しないよう、ラベルも明確にしましょう。
| 問い | 適したビジュアル | 重要な制約 |
|---|---|---|
| リクエスト数は変化したか? | 2本の件数棒グラフ | 0を基準とし、同じ件数尺度を使用する |
| 当日中の解決件数は変化したか? | 2本の件数棒グラフ | 指標を「当日中に解決したリクエスト数」と明記する |
| 解決率は改善したか? | 2本のパーセンテージバー | 0~100%の同じ尺度を使用する |
| この傾向は何を意味するか? | 表の横に短い要約を表示する | 因果関係についての説明を付け加えない |
今回のように2か月を比較する場合、円グラフは最初の選択肢にはなりません。円グラフは全体に占める割合を示せますが、別々の円グラフを並べると、小さな差を読み取りにくくなることがあります。ラベル付きのシンプルな棒グラフなら、視聴者は直接比較できます。
ほかのデータセットでは、データ間の関係性に応じてグラフを選びましょう。時系列データには折れ線グラフ、プロセスにはフローチャート、ランキングには並べ替えた棒グラフが適している場合があります。Feloの日本の出生数に関するデータストーリーは、データに関するテーマを動画として表現した例です。そこから結論を導く前に、出典と対象期間を確認してください。
シーンごとにインフォグラフィック動画を計画する
最初に誤った印象を与え、あとから視聴者に考え直させることのないよう、比較内容を自然に理解できる順序で構成しましょう。
シーン1:問いを提示する
「当日解決率は改善したのか?」というタイトルを表示し、その下に2つの月を示します。データには「架空の例示データ」と明記してください。
タイトルでは指標を明確にします。証拠を示す前に、改善したと結論づけてはいけません。
シーン2:リクエスト総数を示す
4月の400件と5月の500件を表示します。基準線と尺度は変えず、業務量が増加したことを視聴者が確認できるようにします。
装飾用アイコンのサイズを変更して、実際の数値以上に差が大きく見えるような表現は避けましょう。一定数のリクエストごとに1つのアイコンを使用する場合は、その単位を説明し、全体を通して統一してください。
シーン3:当日中の解決件数を示す
当日中に解決した280件と350件を表示します。前のシーンと同じ月の順序を維持してください。
この段階では、当日中に解決したリクエストが増えたと説明できます。ただし、その事実を業績向上と同じ意味で使うべきではありません。
シーン4:分母を示す
280÷400と350÷500を表示します。どちらも70%になります。長さを統一したパーセンテージバー、または明確なラベル付きの分数を使用してください。
ここが動画の説明の中心となる部分です。十分な表示時間を確保しましょう。件数から割合へ急速に切り替えると、結論が変わる理由が視聴者に伝わらない可能性があります。
シーン5:結論と限界を伝える
平易な言葉で2つの事実を示します。リクエスト数は増加したこと、そして解決率は変わらなかったことです。さらに、このデータセットでは対応の質、複雑さ、原因は分からないという注記を、小さくても読みやすい文字で追加します。
このストーリーボードは編集上の計画です。生成された動画がすでにグラフを正確に再現したことを示す証拠ではありません。
ビジュアルを説明するナレーションを書く
以下は、ナレーションの完全なサンプルです。
この架空のサポート記録では、チームは4月に400件、5月に500件のリクエストを受け取りました。当日中に解決した件数も280件から350件に増加しています。つまり、当日中に完了した業務が増えたということです。では、解決率も改善したのでしょうか? 各月の当日解決件数を、その月のリクエスト総数で割ってみましょう。4月の280件を400件で割ると70%です。5月の350件を500件で割っても、同じく70%です。チームは同じ解決率を維持しながら、より多くのリクエストに対応しました。ただし、これらの数値からは、リクエスト数が変化した理由、リクエストの難易度が同じだったかどうか、あるいは顧客が回答をどのように評価したかは分かりません。
ナレーションでは、画面上の要素を一つずつ読み上げるのではなく、数値同士の関係を説明しましょう。ただし、視聴者が音声で読み上げられた数値を聞き逃す可能性があるため、画面上のラベルも重要です。
用語は一貫させてください。「当日解決」「即時対応」「対応速度」のような表現を切り替えると、動画に変化を持たせているように見えても、意味が変わってしまいます。正確な指標を繰り返し使用するほうが適切です。
インフォグラフィック動画メーカーに具体的な制約を指定する
プロンプトには、データ表と意図する解釈を含めましょう。正確な数値が重要な場合、グラフの画像だけに頼ってはいけません。
添付された架空のデータセットを使って、インフォグラフィック動画を作成してください。当日解決率が改善したかどうかを説明してください。リクエスト総数、当日解決件数を示した後、解決率の計算を表示してください。全編を通して4月を5月より先に表示してください。件数の棒グラフでは0を基準とし、割合の棒グラフでは一貫したパーセンテージ尺度を使用してください。両月の解決率が70%であることを明示してください。データが架空であることを表示してください。チームの対応が速くなった、あるいはワークフローが変化の原因になったと主張しないでください。読みやすいラベル、分かりやすいナレーション、控えめな動きを使用してください。
Feloのインフォグラフィック動画メーカーは、データ、比較、プロセスを視覚的に説明するためのツールです。使用前に数値と解釈を準備し、生成されたシーンのラベルを元のデータ表と照らし合わせて確認しましょう。
正確なグラフのスタイルや特定の元画像が必要な場合は、該当する素材を提供し、どのように使用されているかを確認してください。アップロードしたグラフが変更されずに再現されるとは限りません。
計算の正確さとビジュアルの意味を別々に確認する
まず数値を確認します。元の表を使って、割合と増減率を再計算してください。単位、日付、カテゴリーの定義が一致していることも確認します。
次に、デザインが数値をどのように表現しているかを確認します。ラベルが正しい2本の棒グラフでも、棒の高さが尺度に合っていなければ誤解を招く可能性があります。途中で切り取られた軸は差を誇張することがあります。また、指標が変化していないにもかかわらず、色の変更によって改善した印象を与える場合もあります。
以下の各項目を確認できるレビュー記録を用意しましょう。
- 数値と計算結果。
- 分母と単位。
- 軸の範囲と基準線。
- カテゴリーの順序と対象期間。
- ナレーションと字幕の一貫性。
- 出典と制約に関するラベル。
まず、音声をオフにして動画を一度視聴してください。それでも正しい比較内容が伝わるでしょうか? 次に、画面を見ずに音声だけを聞いてください。ナレーションは同じ結論を伝えているでしょうか?
この2つの見方で異なるストーリーが伝わる場合は、視聴者にその違いを解釈させるのではなく、シーンを修正しましょう。
実際のデータを使用する場合は、出典のタイトル、日付または対象期間、そして読者が手法を確認できるリンクを含めてください。小さな画面上の文字で長いURLを表示するのは避けましょう。読みやすい出典ラベルを表示し、周囲のページや説明文に完全なリンクを掲載できます。
動画の横、または関連記事の中に、元のデータ表の静的なコピーも用意しておきましょう。数値を詳しく確認したい視聴者が、アニメーションをちょうどよいタイミングで一時停止しなくても確認できるようにするためです。また、出典の数値が変更された場合に、後から訂正内容を説明しやすくなります。
インフォグラフィック動画に関するよくある質問
短いインフォグラフィック動画には、いくつの数値を含めるべきですか?
動画の問いに答えるために必要な数値だけを含めましょう。今回の例では、分母によって解釈が変わるため、合計件数2つ、解決件数2つ、解決率2つを使用しています。無関係な指標を追加すると、この関係性が分かりにくくなります。
ダッシュボードのスクリーンショットを使用できますか?
はい。ただし、最終的な表示サイズで確認してください。必要に応じて、関連する比較部分を切り抜いたり、より大きなラベルを使って作り直したりするとよいでしょう。元のデータと意味は必ず維持してください。
アニメーションは必要ですか?
アニメーションは、視線を誘導したり、関係性を分かりやすい順序で示したりする場合に役立ちます。動きの多いアニメーションよりも、読みやすい静的なグラフと明確なナレーションのほうが効果的な場合もあります。
データから興味深い結論を導けない場合はどうすればよいですか?
データによって裏付けられる結果を説明しましょう。解決率に変化がなかったという事実も、有益な情報になり得ます。特に、魅力的ではあるものの根拠のない主張を正す場合には重要です。
問いを決め、元データの表を準備したら、Feloインフォグラフィック動画メーカーをぜひお試しください。